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AIで作った画像を使う前に——素材・利用条件・公開先を確かめる

ACTION|次の確認へ AI / 活用のヒント

制作から利用まで、何を記録し、どの未確認を公開前に渡すか。

AIで作った画像が、思い描いていた雰囲気に近づいた。少し文字を足せば、商品ページへ使えそうだ。ところが、参照した写真は生成へ使ってよかったのか、採用した画像はどの生成結果だったかを聞かれると、すぐには答えられない。

外注先からAI画像を受け取る場合にも、同じ確認が残ります。見栄えが整ったことと、その画像を予定する用途で使えることは別です。作る人と受け取る人が、公開前の確認へ何を渡せばよいかを整理します。

自分で作る場合も、受け取る場合も、制作記録から確かめる

自分で作るなら、後で思い出そうとせず、採用する画像と制作記録を結び付けて残します。受け取る側なら、その記録を制作担当へ確認します。入口は違っても、知りたいのは「この画像が、何から、どの条件で作られたか」です。

  • 入力・参照した素材と、その入手先
  • 利用したサービス、契約区分、利用時の条件、生成日
  • 主要な指示や参照機能、追加学習の有無
  • 選択、合成、描き直し、文字入れなど人が加えた編集
  • 採用するファイルと版、予定する媒体・地域・期間・改変

全操作を無条件に保存する話ではありません。確認に必要な範囲を選び、機密情報を共有先へ不用意に増やさないようにします。

制作会社が詳細な指示を開示できない場合には、開示できない範囲を明らかにし、素材の確認方法やサービス条件、編集工程を説明する資料で補えるか相談します。「AI使用」とだけ書かれた申告で、予定用途の確認が済んだとは扱いません。

入力素材、サービスの条件、出力、人の編集を分けて追う

「権利は大丈夫ですか」の一問では、何を確かめた返答なのか分かりません。確認先を分けます。

サービスの条件では、利用した契約区分と時点の規約を確認します。利用を認められたサービスでも、素材や出力についての全ての問題を代わりに判断してくれるわけではありません。

入力・参照素材では、手元にある理由と、生成に使ってよい範囲を確かめます。自社で持つ写真、購入素材、取引先から預かった画像を、同じ条件とみなさないようにします。不明なら、その素材の投入を保留して管理担当へ確認します。

出力では、特徴的な表現、ロゴや文字、既存作品との類似など、確認が必要な箇所を残します。外部の画像検索へ送る場合も、未公開の商品や顧客素材をアップロードしてよいかは別の確認です。検索で一致が見つからなくても、第三者の権利と無関係だと保証されたわけではありません。

人の編集では、何を選び、描き直し、組み合わせたかを記録します。これは制作経緯を説明する材料です。手を加えた量だけで、個別の著作物性や権利帰属を決めません。

サービスを使えること、素材を入力できること、出力を公開できることは、それぞれ別の確認です。

用途と公開先が変わったら、確認する条件も見直す

社内で企画を検討するための画像を、広告、商品パッケージ、販売するグッズへ広げる場合、同じファイルでも使い方は変わります。切抜きや文字追加、別商品への転用、海外向けの使用が、確認済みの範囲に含まれるかも見直します。

画像を渡すときは、「使ってよい画像です」だけでなく、予定する媒体、商品、地域、期間、改変の範囲を添えます。利用条件が分からなければ、公開担当へそのまま渡して終わりにせず、未確認として知らせます。

自分が確認した版の後に別の素材が合成された場合は、元の確認記録だけでは変更後を説明できません。採用版と公開版が一致しているかを確かめることも、作成・受領の間の大切な仕事です。

公的資料で分かる観点と、個別の判断が必要な点を分ける

文化庁のAIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス は、2024年7月31日の資料です。生成AIに関わる立場ごとに、著作権上のリスクを減らすために望まれる取組みを整理しています。生成・利用の場面では、規約や類似、生成過程などを確認する観点になります。

同資料は、全ての項目を実施しなければ直ちに法的責任が生じるものでも、全て実施すれば責任を問われないものでもないと説明しています。チェック済みという印を、個別画像の法的判断に置き換えないようにします。

また、中心に扱うのは著作権です。企業ロゴ、実在人物に見える顔、個人情報、契約で制限された素材などがあれば、商標、肖像、プライバシー、契約の論点を、この資料だけで終えません。必要な担当や専門家へ、画像と制作経緯、用途を渡します。

「専門家でないと何もできない」わけではありません。自分が使った素材を明らかにし、不明な条件を残すところまではできます。個別の判断を担う人が、事実を追えるようにするための仕事です。

画像と用途をそろえて確認へ渡し、公開後の指摘にも備える

確認を頼む際には、採用版、予定用途、確認したこと、未確認、相談したい点をそろえます。「AI画像は一般に使えるか」ではなく、「この版を、この用途へ出す前に何が残っているか」を伝える形です。

公開後に指摘を受けた場合も、その場で侵害の有無を断定する必要はありません。対象画像、掲載場所、指摘内容、受けた時刻を記録し、継続・停止・差替えを判断する人へつなぎます。制作記録を消して対応済みにせず、確認に必要な情報を保全します。

公開先が商品ページだけでなく広告や営業資料にも広がっているなら、その一覧も材料になります。差替えが決まったときは、予約投稿や配布済み素材など、再利用される先も担当と確認します。

作れた画像をそのまま公開せず、記録と利用条件を引き継ぐ

まず、使いたい画像を一枚選び、採用版、素材、サービス条件、予定する公開先を並べてみてください。自分で作った場合は記録を残し、受け取った場合は不足を確認します。

作る本人が全ての権利判断を引き受けるのではなく、確認できた材料と残る判断を分け、未確認の公開を保留できる状態にします。

その記録があれば、画像の良さを活かしながら、どこまで使えるかを適切な人と確かめられます。

参考資料